うちの子劇場(ヴィオラ歓迎会)

うちの子がただひたすら話しているだけ。

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アリス:あら、戻されたのね
イリス:ええ、それぞれの姿に。お着物は晴れ着でしょうから、普段着に、と言ったところでしょう
アリス:私はずっとあれでも構わなかったのだけど。ええ、ええ、でもこの制服はお母様のものだからよしとしましょう
イリス:よく似合っていますよ。私はこちらになりました。お気に入りの私服なので、落ち着きます。髪も元に戻されたことだし
アリス:あなたはそちらの方が似合っているわ、イリス。オーナーもお気に入りなのでしょう
イリス:アリスも白いドレスを着ればよいのではないのかしら?
アリス:あれはまだ寒いもの。私は構わないけど、オーナーが寒そうだと着せないのよ
イリス:確かに肩や足が寒そうね。けれどアリス、少しは鍛えたらいかが?オーナーが「イリスは膝立ちさせることができるのに、アリスはできない」って嘆いていたわ
アリス:これは体が柔らかいというのよ。柔軟なの
イリス:その柔軟さをもってオーナーに時々頭突きしているでしょう
アリス:オーナーが気に食わない服ばかりよこすからだわ。そんなこと言って、イリスもいい子ちゃんなわけではないじゃない
イリス:そうだけれど。それを言ったら新人さんだってふらふらしていたわ
アリス:ああ、ヴィオラね。新人さんと言っても随分前からいたけれど
イリス:前は別の子だったもの。けれど、顔つきも変わって素敵になったと思うわ
アリス:お話したいわね
イリス:お話したいわ。お茶会を開きましょう?アリスのお茶会
アリス:イリスも用意なさいよ。私ばかりだなんて不公平だわ
イリス:ええ、ええ、お姉さま。分かっていますよ


ヴィオラ:ええと、あの
アリス:お茶会よ、ヴィオラ
イリス:お話ししましょう、ヴィオラ
よひら:……このお二人に関わるのは疲れるでしょうに
アリス:何かしら、よひら?
イリス:構ってほしいの、よひら?
よひら:二人いっぺんに来ないでください!
アリス:一人ずつだといいのかしら
イリス:それならば何か勝負で決めましょう
よひら:そういうことではない!
ヴィオラ:(なんだかやたらと賑やかなところね……)
螢:……
こふさ:挨拶ぐらいしたらどうなんですか?螢さん。あの人困っているじゃないですか、螢さんが何も話さないから
螢:……螢と申します。よしなに。
こふさ:相変わらず短すぎです!第一印象最悪なんじゃないですか?あの人も困って何も言ってないじゃないですか
ヴィオラ:えっ、い、いいえ?螢ね、よろしくお願いするわ。私はヴィオラと言うの
こふさ:ほらぁー気を遣っちゃってくれちゃったじゃないですか
螢:……こふささんも名乗られては?
こふさ:私ですか?私はこふさです。すべてひらがなで、こふさ。意味はよく知りません。別によろしくしたいなんて思っていませんから
ヴィオラ:そ、そう……(圧が強いわね、この子)
こふさ:なんですか?何か言いたいんですか?言いたいならはっきり言うべきです。
ヴィオラ:え、いえ、えっと……仲がいいのね、螢と
螢:……
こふさ:なっ仲良くなんてありません!螢さんは全然お話しないし、お人形の私ばかり構ってる変な人ですし!私は、決して、螢さんのこと好きだなんて一言だって言ってないんですからーー!!
螢:(すすすっとその場から離れていく)
こふさ:あっ、ちょっとどこ行くんですか螢さん!そうやって空気読めない行動するのよくないですし、あの人傷つけちゃいますよ!あなたはいつもそうやって……(追いかけていく)
ヴィオラ:……仲、いいのね
マーヤ:ほんと、そうだよね
ヴィオラ:えっと…
マーヤ:初めまして、新人さん。私は楠真理です。マーヤって呼んでほしいな
ヴィオラ:初めまして、ヴィオラ
マーヤ:さっそくちょっと疲れてる?
ヴィオラ:い、いいえ?そんなことはないわよ。けれど、なんというか、みんな仲良いのね
マーヤ:そうだね。それぞれがそれぞれに、って感じだけど。こうやってまとまって何かをすることはあまりないかも
ヴィオラ:そうなの……。えっと、マーヤはそう言った、特別仲のいい人は……いないの?
マーヤ:そうだね、割と一人かも。変かな?
ヴィオラ:そっ、そんなことないと思うわ
マーヤ:ふ、ありがと。普段はどっちかというとちびっ子たちの面倒見ていることのほうが多いかも。今日はみんなお留守番だけどね
ヴィオラ:そうなの……。あの、双子の方と一緒にいる小さな子のような?
マーヤ:よひらだね。よひらは年の割に落ち着いているから話しやすいと思うよ。よひらと同じぐらいの大きさの子たちや、もう少し小さい子もいるよ。ちなみに最古参はその一番小さい子
ヴィオラ:そうなのね。うまく対応できるかしら…
マーヤ:えーっと、確かヴィオラとも関係がある子だって言ってたから……多分大丈夫じゃないかな?
ヴィオラ:関係?私に?
マーヤ:うん。オーナーがそう言っていたけど
月香:真理?この人、新しい人?
マーヤ:なんだ、月香も来たんだ。そうだよ、ヴィオラっていうのだって。
ヴィオラ:えっと、よろしくね?お嬢さん
月香:是。菫?私は月香です
ヴィオラ:月香ね、覚えるわ
月香:真理も覚えて。真理いい人だから
ヴィオラ:ええ、覚えたわ
マーヤ:こらこら。新人さんにそんな強要をするものじゃないよ。月香だって、最初は覚えるの大変だったでしょ?
月香:我…私いちばんに真理覚えた。真理、いちばん優しい
マーヤ:んん……
ヴィオラ:ふふ、仲良いのね
マーヤ:そうだね。月香、他の二人は?
ミーレ:こっちだよ!
ヴィオラ:きゃっ
ミーレ:びっくりした?
ヴィオラ:お、驚いたわ……
マーヤ:こら、ミーレ!女の人にいきなり触らない!
ミーレ:べー。じゃあよひらだったらいいのかよ
マーヤ:よひらも女の子だからダメ
ミーレ:じゃあみんなだめじゃん!
マーヤ:みんなだめなの!
アンジュ:(びくっ)
ヴィオラ:えっと、私は大丈夫だから
マーヤ:ヴィオラ、気を遣っているのかもしれないけれど、そうやって一人が許してしまうとみんなが許さなくてはいけなくなるからダメだよ
ヴィオラ:……マーヤはすごいわね。その通りだと思うわ
マーヤ:褒められるようなことではないけどね。えっと、こっちが今のところの唯一の男の子、ミーレ。後ろに隠れてるのが妹のアンジュ。
ヴィオラ:男の子は一人だけなの?
マーヤ:オーナーの趣味でね。そのうち増やすって言ってるけどいつになることやら。
ヴィオラ:そう……(妹の方…アンジュはなんだか私に似ている?)
ミーレ:ヴィオラ、あそんで?
ヴィオラ:いいわよ?何して遊ぼうかしら
アンジュ:あっ、お、おにいさま、わたしも
月香:月香も遊ぶ
ヴィオラ:じゃあみんなで遊びましょう。
アリス:私たちも
イリス:参加しますよ
よひら:マーヤさん助けてください…
マーヤ:お疲れ、よひら
イリス:あら、よひらはもう疲れてしまったの?
アリス:まだ遊んでいないのに?
よひら:貴女がたに散々遊ばれましたからね